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1日8時間以上睡眠をとる高校生は、6時間未満の人より持久力で劣る傾向がある。文部科学省が8日公表した05年度の体力・運動能力調査で、こんな結果が出た。持久力と生活習慣との関係では、朝食抜きやテレビの見過ぎも影響するらしい。文科省は「規則正しい生活が体力向上のカギ」と呼びかけている。調査は64年から毎年実施しており、今回は6〜79歳の男女7万1542人から回答を得た。6〜17歳については持久力をみるため、20メートル区間を徐々にペースを速めながら走って折り返せた回数と、睡眠時間などとの相関関係を分析した。
その結果、睡眠時間が「8時間以上」と答えた高校生(15〜17歳)は男女とも、「6時間未満」の高校生より回数が少なかった。その差は15歳男子と16歳女子で約13回だった。一方、小学生(6〜11歳)は男女とも「8時間以上」の方が好成績で、中学生(12〜14歳)もほぼ同じ傾向だった。朝食については男女とも、「毎日食べない」と答えた方が「毎日食べる」より回数が少なかった。ただし、その差は7歳男子で約3回、12歳男子で約11回なのに対し、15歳男子では20回強と年齢が上がるにつれて開きが大きくなっていた。テレビゲームを含めたテレビの視聴時間との関係でも同様で、17歳男子では「3時間以上」と答えた方が「1時間未満」より約14回少なかった。
調査・分析に携わった順天堂大の内藤久士・助教授は「寝過ぎやテレビの見過ぎが直接の要因というよりも、そうした子供たちには規則正しい生活習慣が確立されていないからではないか」と分析している。このほか、青少年層全体(6〜19歳)では、走る・跳ぶ・投げるの基礎的な運動能力と握力で、85年前後から続く低下傾向は今回も変わらなかった。一方、20〜64歳の成年層は、敏捷(びんしょう)性をみる反復横跳びが緩やかに向上、全身持久力をみる急歩は低下した。
2006年10月10日 asahi.com
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