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今年、誕生から75周年を迎えたラジオ体操にスポットを当てたCD「ラヂオ体操の全(すべて)」(キング)がおもしろい。歴代の伴奏曲や関連曲などを収録。解説書でなじみはあるが、意外に知らないその歴史、体操の図解まであり、これで“ラジオ体操トリビア”は万全だ。
「ラジオ体操は…生命保険普及のためにはじまった」−。昭和3年11月1日、昭和天皇即位の大礼の記念行事の一環として制定されたのがラジオ体操のはじまりだが、背景には大正5年にスタートした逓信省の簡易保険普及、振興の狙いがあったという。加入者が増えないため、簡易保険局の担当者が視察に行った米国の生命保険会社でイメージ戦略と加入者死亡率を下げるためにラジオで「体操」を流し、ピアノの伴奏と号令をかけていたのがヒントになったという。
今回のCDも、財団法人簡易保険加入者協会発行のラジオ体操50周年記念誌「新しい朝が来た」に登場する楽曲を集めている。第一回の体操の様子を収めた映像からとった「全国のご家庭のみなさま…」というアナウンスをはじめ、初代の「国民保健体操」、終戦直後につくられた二代目のそれぞれ「第一−三」、現行の「第一−二」も収録。なかでもGHQの指導で作られながら不評で、わずか3カ月でお蔵入りした二代目のオーケストラ版は“幻の音源”というほど貴重なもの。このほか、伴奏曲に歌詞をつけた「朝日を浴びて」、藤山一郎が歌った「ラジオ体操の歌」、戦時中に採用された「ラジオ縄跳」の伴奏曲、歌詞にラジオ体操が登場する「お山の杉の子」など全22曲が収められ、その多くが初CD化だ。
同CDを企画した石川宏平さん(60)は「米国だけでなくドイツ、チェコなど欧州でもラジオ体操はあったが、今も続いているのは日本だけ。外国の発想をうまく取り入れ、勤勉に続けている。ラジオ体操のありように日本人の気質、国民性が反映されているよう」と話している。へぇ〜。ZAKZAK 2003/12/24
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