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活性酸素関与の難病治療に期待「PC‐SODの前期PII開始へ」
LTTバイオファーマ
LTTバイオファーマ(東京都港区、社長稲垣哲也氏)は、同社が開発を進めているDDS(薬物送達システム)技術を用いた「PC‐SOD」(レシチン誘導体を共有結合させたスーパーオキシドジスムターゼ)の前期第II相試験を来年からスタートさせる。同社は、9日に医薬品医療機器総合機構に治験計画届出書を提出。同機構の「医薬品・医療機器実用化研究支援事業」(委託事業)の2004年度の研究テーマに採択され、07年3月末までに1億2500万円の研究開発支援を受けることも決まった。この資金支援を利用して、慶應義塾大学医学部消化器内科の日比紀文教授を中心に、臨床試験を行う予定。
活性酸素が関わる多くの難病に対して治療効果が大きいとされるSODは、“夢の薬”と世界的に期待されてきたが、実用化されていない。PC‐SODは、活性酸素(スーパーオキシドアニオン)を生体内で消去する酵素(スーパーオキシドジスムターゼ、SOD)にレシチン誘導体分子を共有結合させたタンパク医薬製剤。適応症は、臨床上、活性酸素が病因に大きく関係すると考えられている抗癌剤誘発心筋症、くも膜下出血後の攣縮、潰瘍性大腸炎、加齢黄斑変性症等が考えられ、同社では基礎研究に着手している。
日本では第I相臨床試験(単回投与並びに反復投与)を終了し、潰瘍性大腸炎を対象とした前期第II相臨床試験を来年から開始する予定。海外では、オランダで第I相臨床試験を終了し、オランダ・ライデン大学で、乳癌患者治療時のドキソルビシン誘発心筋症を対象とした前期第II相臨床試験を2003年9月から実施している。 薬事日報 2004.12.20
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