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小学生の運動能力は低下が続き、9歳男子の50メートル走の平均記録は約20年前の9歳女子の水準にまで落ちたことが9日、文部科学省の2004年度「体力・運動能力調査」でわかった。
専門家は「親の車で移動したり、室内で遊んだりすることが多くなり、子どもが運動する機会が減っているため」と分析している。調査は2004年5月〜10月、6歳から79歳の男女計約7万2800人を対象に実施。小学生〜高校生については、運動能力低下が始まったとされる1985年度と、95〜04年度の各記録を比較した。
それによると、85年度の9歳男子の50メートル走は平均9・40秒だったのに対し、04年度までの10年間は、いずれも0・17〜0・44秒遅い水準に低迷。04年度は9・69秒で、85年度の9歳女子の9・74秒とほぼ同タイムにまで低下した。立ち幅跳びの記録も、9歳男子は85年度より12・29センチ、9歳女子は9・73センチ短くなり、低下が続いている。ソフトボール投げの距離も、85年度の記録を毎年下回っている。一方、中高生男子の50メートル走の記録は、85年度よりわずかに遅いが、ほぼ同水準を維持。13歳男子のハンドボール投げもほぼ同じ水準だった。中高生女子の50メートル走の記録は、85年度より0・15〜0・34秒遅くなっている。中高生男子が運動能力を維持していることについて、同省生涯スポーツ課は、「小学生と違って部活動がある中高生は、運動する機会が多いからではないか」と分析。さらに、運動部への所属率は、中高生とも男子が女子よりも高いことから、運動部で日常的に運動をしている男子は運動能力を維持できている、とみている。また、20歳から64歳までの「成年」では、男女とも「握力」がほぼ横ばい、「反復横跳び」は記録が伸びるなど、“元気さ”が目立った。調査を監修した順天堂大の青木純一郎副学長は、「健康のために運動をする人が増えているからではないか」と話している。(2005年10月10日 読売新聞)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyo051010_1.htm
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