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大手下着メーカーなどは、やせる効果があるという女性用下着を相次いで商品化、順調に売り上げを伸ばしている。食品、サプリメント、運動器具…などダイエット商品が花盛りのご時世。着るだけでダイエットできる下着が開発されるほど、OLたちの「やせたい!」願望はとどまるところを知らないようだ。グンゼは先月下旬、やせる効果があるという新ブランド「VIFA」のストッキングを発売。今月からキャミソールやショーツなどインナーの販売も開始した。繊維に付着させたグレープフルーツなど4種の香りや、素材に練り込んだカフェインを皮膚から吸収。「交感神経が活発化し、中性脂肪が燃焼する」のだという。
同社は初年度の販売目標をストッキング800万足(約42億円)、インナー60万枚(12億円)を見込み、「インナーなら家庭用洗濯機で約50回洗濯しても効果は持続する。OLを対象にした試着調査では、約65%にダイエット効果が期待できた」と話す。富士紡績も、脂肪の分解を促すとされるカフェインや、海藻エキスを繊維に付着させた女性用下着を昨秋から大手百貨店などで販売。「ワンダースリム」のブランド名で展開し、初年度3億円の販売を見込んでいる。開発の経緯について、同社は「一昨年、美肌効果が期待されるビタミンC配合の肌着を商品化したところ、好評を得た。そこで、『美』に対する女性の願望を追究。永遠のテーマである『やせる』下着の開発、商品化に踏み切りました」と説明する。
反響は国内だけでなく、世界にも広がった。「商品を取り上げた記事が英字で世界に配信され、各国の女性から問い合わせが殺到。英米など10カ国以上の女性から『どうやったら手に入るの』といった電話がかかっている」(同社)大手下着メーカー「ワコール」は昨年11月、世界12都市の女性の「美」に対する意識調査「世界女性のこころとからだ」をまとめた。それによると、東京の女性は体重、おなか、ウエストなど全12項目中、実に11項目で不満度が満足度を上回った。調査対象となったパリ、ニューヨークなど11都市の女性に比べ、東京の女性が体形に不満を持つ実態が浮き彫りに…。
服飾評論家は「日本ではファッション誌が多数発行され、誌面を飾るのは完璧なプロポーションを持つモデルばかり。『商品』として、スタイルを維持する女性を『現実』と錯覚し、『やせなければ…』という強迫観念に襲われるのではないか」と分析する。「やせたい!」と思い続けるニッポンの女性。「やせる」下着にも、いちるの望みを託すのだろうか。
ZAKZAK 2003/02/22
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